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2013年1月6日日曜日

四季をあじわう心が育つおはなし

主婦の友社のベストセラー『頭のいい子を育てるおはなし366』シリーズの最新刊、『四季をあじわう心が育つおはなし』のなかに、私の訳した『ハロウィーンってなぁに?』が入れていただけました。



清少納言、松尾芭蕉、小林一茶というビッグ・ネームに並んでいるとは、なんとも恐れ多いことです。
まあ、私の「ハロウィーン」はご愛嬌ですが、四季の風物や行事、日本の文化を味わい、楽しむ心を育むよう工夫してあります。たとえば日本のお正月についても見開き2ページで、伝統的な食べ物や遊び、慣習など絵入りで説明してあります。
毎年、またあらゆる季節に日本に行けるわけではない、フランスで育っている我が子どもたちに、日本のことを教えなきゃいけないな、と思う常日頃、これは良いものをいただきました。

読み聞かせや音読と、長く重宝する一冊。
漢字にはすべてルビがふってありますから、日本国内の子どもはもちろん、海外育ちの子どもたちにもお勧めです。
収録作品は他に、「クリスマスのまえのよる」(クレメンス)、「くまの子ウーフ」(神沢利子)、「ひなまつり」(あまんきみこ)、「しょうぶゆ」(森山京)、「目黒のさんま」(落語)など。

他の『頭のいい子を育てるおはなし』シリーズについては
特設ページへどうぞ ↓
http://blog.shufunotomo.co.jp/atamanoiiko/

2012年10月11日木曜日

ハロウィーンのかぶ

 

ハロウィーンのお祭りが近づいてきました。今日はハロウィーンにちなんで、かぶのお話です
(なぜハロウィーンにかぶなのかがすぐ知りたい方はお話を飛ばして次のパラグラフへお先にどうぞ)

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むかしむかし、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。暮らしているうちに、セルジュを生みました。セルジュには長い耳と、頭の代わりにかぶがありました。セルジュは大きく、それは大きくなりました……。

 おじいさんは耳を引っ張りました。うんとこしょ、どっこいしょ、でも世の中に引っ張り出してやることができません。そこで、おじいさんはおばあさんを呼びました。

 おばあさんはおじいさんを、おじいさんはかぶをつかみ、うんとこしょ、どっこいしょ、でも引っ張り出すことができません。おばあさんは公爵夫人のおばさんを呼びました。

 おばさんはおばあさんを、おばあさんはおじいさんを、おじいさんはかぶをつかみ、うんとこしょ、どっこいしょ、でも世の中に引っ張り出してやることができません。そこで公爵夫人は名付け親の将軍を呼びました。

 名付け親の将軍はおばさんを、おばさんはおばあさんを、おばあさんはおじいさんを、おじいさんはかぶをつかみ、うんとこしょ、どっこいしょ、でも引っ張り出すことができません。おじいさんはがまんできなくなりました。そして、娘を金持ちの商人のところにお嫁にやりました。おじいさんは百ルーブリ札を何枚も持っている商人を呼びました。

 商人は名付け親を、名付け親はおばさんを、おばさんはおばあさんを、おばあさんはおじいさんをおじいさんはかぶをつかみ、うんとこしょ、どっこいしょ、やっとかぶの頭を世の中に引っ張り出してやりました。
 それでセルジュは五等文官になりましたとさ。

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 これはチェーホフの短編、「おおきなかぶ」の全文です。冒頭に「子供語からの翻訳」という但し書き。沼野充義先生による新訳で集英社から出ている『チェーホフ短編集』に載っていますので、気に入った方はご本のほうもぜひどうぞ。読みやすくて楽しいきれいな訳文です。


 さて、なぜハロウィーンにかぶかというと、

 「言い伝えによると、むかし、アイルランドにジャックというおじいさんがいてね、あんまりケチでずるいやつだったんで、死んでも天国に入れてもらえなかった。そこで地獄へ行ったんだけど、悪魔にもきらわれて追い返されてしまった。

 しかたがないのでジャックは、悪魔がくれた熱くて赤い炭火を、くりぬいたかぶに入れて、暗い道を照らして歩いた。いまでもその明かり……ランタンを持って、この世とあの世の間をさまよい歩いているというよ」

なんだそうです。

 何年か前にハロウィーン絵本を訳したのですが、この本によると、これがハロウィーンのかぼちゃのランタンの始まりで、
「ただ、かぶのかわりに使うようになったのがかぼちゃなのさ」
ということだそうです。

かぼちゃの謂れを聞こうと思ってるのに「かぶの代わりに」って、そりゃちょっとないんでは、と思ったのですが……

 でもハロウィーンですからね。かぶがかぼちゃに化けたのか、かぼちゃがかぶに化けたのか、さてどちらでしょう?

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季節もので、絵本ナビが『ハロウィーンってなあに?』の宣伝をしてくれています。このページに行くと、なんと全文読めるそうです。

クリステル・デモワノー著『ハロウィーンってなあに?』

全文読ませちゃっても宣伝になるというのは、絵本ならではですね。太っ腹。

2012年10月2日火曜日

パンプキン・ケーキのレシピ



もう10月。パンプキン・ケーキを焼きました。

娘のバレエの待ち時間、いつものスターバックスに入ったら、お奨めが「今週のコーヒーとパンプキン・ケーキ」。ああ、もうそんな季節だな。アイディアだけいただいて、翌日、自分で作ってみました。

自慢は、レシピがなかったので自分でレシピを考えたところ。
準備したのは、いつも焼いてるバナナ・ケーキのレシピと、にんじんケーキのレシピ、そして以前に訳した絵本、『ハロウィーンってなあに?』に出ていたかぼちゃのタルトのレシピ。
この三つを混ぜ合わせてできた、マイ・レシピはこれ。


バター 100g
砂糖120g
小麦粉120g
ベーキング・パウダー 一袋(11g)
卵2個
かぼちゃのピュレ 250g
シナモン (いっぱい)

1. オーブンを180度に温め始める。
2. かぼちゃのピュレを作る。皮と種をとったかぼちゃを切って少量の水といっしょに鍋に入れ、火にかける。柔らかくなったらミキサーにかける。
3.ボールにバターと砂糖を入れ、ハンドミキサーでクリーム状になるまで混ぜる。
.3に卵をひとつずつ割りいれ、ハンドミキサーで攪拌して混ぜる。
.4にかぼちゃのピュレとシナモンを混ぜ入れる。シナモンはけっこうたくさん入れます。量を計っておかなかったけど、大匙2杯くらいかな。好みでもっとでも。
小麦粉とベーキングパウダーをいっしょにしたものを粉ふるいでふるいながら入れ、へらで混ぜ込む。
パウンド型に流し込み、オーブンに入れて45分。

とってもふわっと柔らかく、シナモンの良い香りがして、かぼちゃ嫌いの夫が中身も知らず「うまい、うまい」とほくほく食べてくれました。よかったら作ってみてください。

うちにあったかぼちゃは700g強あったので、皮をとったらおよそ500gと考え、できたピュレの半量を使いました。日本のかぼちゃは水分が少ないので、茹でるときに水を多めにしてください。これは、『ハロウィーンってなあに?』を訳したときに、日本では手に入るかぼちゃの種類が違うのでレシピを加減しなきゃと何度か試作したんだったな。

実はかぼちゃのタルトは、日本のかぼちゃで作ったほうが美味しいものが作れます。フランスのべちゃべちゃしたかぼちゃではダメだと、アメリカ人ママも嘆いていましたが、このピュレとフランのレシピを使って、今度はタルトに挑戦です。乞う、ご期待。