2016年11月25日金曜日

新刊 『哲学する子どもたち』のお知らせ


やっとまた新刊が出せました。
『哲学する子どもたち — バカロレアの国フランスの教育事情』(河出書房新社、定価1600円)

ブログの読者にはおなじみかもしれない、子どもを通じて体験・考察したフランスの学校事情です。

そろそろ書店に並んでいると思います。手にとってみてください。

2016年11月19日土曜日

テクストの臓器移植

 びっくりしたなあ。
 必要があって西行の歌についてネットで検索していたら、どこかで覚えのある文章に出会ってしまった。覚えもあるはず、自分で書いた文章じゃないか!



 『赤旗日曜版』の「風の色」というコラムに月1回書いていて、1016日号に載ったはずのエッセイ。それが序論と結論部分だけ変えてそのまま、あるブログにコピーされていたのだ。引用の徴のかぎ括弧もなく、地の文として。

 こういうの、剽窃というんだろうな。


 私はこういう場合、「著作権」を主張したりできるのかしら?
 しかしまあ、私は『赤旗日曜版』には原稿料を払ってもらっているし、この人はこれでお金を取っているわけでもないのだし、目くじらは立てないでおくことにすると思う。自分のものにしたいほど、共感してくれたということかもしれないと思うと、本当のところ、そう腹が立つわけではない・・・文章全部じゃなくて、一部だしね。
 しかし、それにしてもよくまあ、そっくりそのまま写すなあ、と驚く。「赤旗日曜版でこんなことを言っている人がいた」として括弧つけて引用すればごく普通だと思うのだけど・・・。
 一旦、発表した文章というのは、世の中の共有財産になって、最初に書いた者の独占物ではなくなってしまうのかしら。なんだか変な気はするけれど、このネット時代にはさもありなんという感じもする。
 だけど、自分の文章の一部がどこか知らないところで、違う文脈のなかで使われているというのは、やっぱり奇妙で、正直、ちょっと気味の悪い体験だった。