2017年6月14日水曜日

委員会採決抜きに唖然

私は本当にあきれています。
参議院で与党が、共謀罪を新設する組織犯罪処罰法改正法案を成立させるために、委員会採決を省略して中間報告の後、本会議で採決という暴挙に出たと知ったからです。

そんな最低限の手続きすら経ないで成立した法が有効になるんでしょうか?

共謀罪の審議は、可決できるような状態ではありません。審議すればするほど、法案はぼろが出ているので、議論を踏まえてまともに採決したら否決されるのが当然。なのに可決するのは、与党議員が数に任せて、議論を無視して賛成票を投じるからですが、だからといって、議論もまともに行わず、踏むべき手続きも踏まずに採決とは!

論理的に考えれば、そんなことをやるのは、いろいろ後ろめたいからですよね。
自信のある立派な法案だったら、会期延長して説得し、反対の人にも納得してもらってから採決したらいいじゃないですか。
加計問題や森友問題、レイプ事件問題などでも、後ろ暗いところがないのなら、会期延長して証人喚問をやり、正々堂々、疑惑を払ったらいいじゃないですか。
それを議論もちゃんとしない、証人喚問もしないで国会を早く終わりにしてしまいたいというのは、きちんと検証したらまずいことばかりだからということでしょう。


こんな内閣、与党を支持するのは、もうやめにしませんか?

2017年6月12日月曜日

共謀罪に反対します

 私は共謀罪に反対です。

 自分のブログに書くという基本的なことをやっていなかったので、急いでこれを書いています。13日本日、参議院で「共謀罪」(「テロ等準備罪」と言い換えていますが実質は、過去3回も廃案になった「共謀罪」と同じもの)を新設する組織犯罪処罰法の改正法案が委員会採決されるかもしれないという情報を見たからです。

 ご存知と思いますが、もしかして知らない方のために簡単に紹介すると、この組織犯罪処罰法は、「組織的犯罪集団」が犯行を計画し、メンバーの一人が準備行為に及んだ段階で、それ以外のメンバーも処罰できるようにするという趣旨のものです。

 この法案には大きな問題があって、それは、まだ犯罪が行われていない段階で、犯罪を計画したというだけで処罰の対象にされることです。そうなると、普通の行為と犯罪との境界が非常に曖昧になります。
 また「組織的犯罪集団」についても明確に限定されていないので、「一般人は対象外」ということが成り立ちません。

 つまり、誰が何を「犯罪行為」や「組織的犯罪集団」とするのか、とても曖昧なので、拡大解釈されて、言論の自由や人権が損なわれる大きな危険があります(と言うより、取り締まりたい人を取り締まるのにとても好都合な法律を作ろうとしているとしか考えられないくらいです)。

 このような重大な危険性のある法案であるため、「共謀罪」は過去3回も廃案になってきました。
 しかし、そういう「共謀罪」を「テロ等準備罪」と言い換えて、政府はまた持ち出してきました。「これは善良な市民には関係のない「テロ」対策だ」と言って、2020年の東京オリンピックを無事に開催するためにはこの法律が必要、また国連の「越境組織犯罪防止条約」に加入するためにはこの法律が必要だと訴えたのです。

 しかし、越境組織犯罪防止条約(パレルモ条約)のためというのは噓で、この条約は、物質的経済的な目的がある組織犯罪集団、例えばマフィアや暴力団対策のための条約で、宗教的、イデオロギー的な目的に基づく犯罪行為を除外していますし、テロを対象としたものではありません。
 テロ対策自体に関していえば、国連が作っているテロ対策に関する10余りの条約について日本は全てを批准しています。国連が推奨している国内法におけるテロ対策の法整備は既に済ませていて、爆弾の製造、核物質の拡散、ハイジャックなどについては、予備罪、共謀罪を処罰する法律が既にあります。

 「共謀罪」の創設は、テロ対策よりも、政府に都合の悪い言論や活動を取り締まるためにこそ有効であるように思われます(共謀罪が成立したらこれを使う立場になる警視庁の組織犯罪対策部長が、詩織さん事件で山口容疑者逮捕に待ったをかけた中村格氏(当時警察庁刑事部長)、古賀茂明氏が報道ステーションでI am not ABEを訴えたときにクレームをつけてきた中村格氏(当時菅官房長官の秘書官)であることを考えると、どういう風に使われるか想像できてしまいませんか?)。「共謀罪」は、平成の治安維持法とも言われます。政府に都合の悪い団体を弾圧するために拡大解釈して使われた治安維持法の再来を許さないために、絶対に成立させてはいけない法律なのです。
 

 国連の人権理事会でプライバシーの権利を担当するケナタッチ特別報告者が、「個人のプライバシーを守るための措置が盛り込まれていない」と懸念を安倍首相宛書簡で表明しています。政府は、この書簡に誠実に答える形で、法案を練り直すこと、現在国会に提出されている法案は廃案にすることを、国会議員の方々にはお願いしたいと思います。

2017年6月3日土曜日

詩織さんを支持します

 私は、レイプされた事件について529日に顔を実名を出して会見を開いた勇気ある女性詩織さんを全面的に支持します。
 彼女が訴えているのは、元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏を準強姦罪で告訴したけれど、不起訴処分となり、これを不服として検察審査会に審査を申し立てたという内容です。

 ネットでは話題になっているので、これを見る方はすでにご存知かもしれませんが、TVや主要新聞はなぜか一斉に沈黙したそうなので、一応、説明をしておきます(性犯罪を厳罰化する刑法改正案が審議入したのに伴い、民進党がこの件で質問するとかで、主要メディアも触れないわけにはいかなくなったようですが)。

 まず、詩織さんはアメリカでジャーナリズムと写真を勉強したフリーのジャーナリスト兼写真家で、事件が起こったときは、アメリカで知り合った山口氏に就職の相談をしていました。ところが、泥酔して前後不覚に陥り、気がついたときには裸で山口氏のホテルのベッドにいて氏が上に乗っていた、といいます(この事実自体は山口氏も否定していない)。
 この事件は高輪署が調べて、山口氏に逮捕状も発行されたのですが、成田空港で逮捕する直前に、警視庁の「上から」の指示により逮捕ができなくなりました。
 そして捜査本部も移されて新たに捜査し直された挙げ句、嫌疑不十分で不起訴となったということです。この逮捕状にストップをかけたのは「週刊新潮」によると、当時警視庁刑事部長だった中村格氏。みずから「私がやった」と認めているそうです。
 しかし、このような「上から」の介入による逮捕状の不執行や、また警察が詩織さんに示談を勧めて弁護士のところに連れて行ったなど、異例のことづくめです。
 山口氏が安倍総理にたいへん近いジャーナリストであったことから、圧力があったのではないかという疑いがあります。中村警視庁刑事部長は、この職に就く以前は、内閣官房長官秘書官を務めており、元経産省官僚の古賀茂明氏が報道ステーションでI am not ABEを訴えた際に、番組中に電話をして来たという人物でもあります(この後、古賀氏が官邸の圧力で番組を降ろされたことはご承知と思います)。

 ここには問題が二つあって、ひとつはレイプの問題であり、もうひとつは権力の介入の問題です。
 山口氏は性関係は認めた上で「合意だった」と主張したい模様ですが、酔って前後不覚になった女性が、覚醒したときに「嫌だ」と言って逃げたという状況から考えると、「合意だった」は無理ではないでしょうか。百歩譲って意識のなかったときに女性が合意したとしても、そういうのは合意になりません。
 逮捕状も出ていたのに、それを取りやめさせるのであれば、それ相当の理由が必要です。中村氏はそれを説明しなければなりませんね。

 もう一つは、権力の介入の問題です。
 総理大臣の親しい友人だと犯罪を犯してももみ消してもらえるとしたら、恐ろしい権力の濫用です。総理大臣の親しい友人だと、規制緩和をして学校を作らせてもらい、数々の補助金など厚遇されるという加計学園問題とも併せて、現政権が権力を私物化していないかどうか、はっきり検証してもらいたいです。

 詩織さんは、大きな勇気をもって、二つの告発をしています。

 まず、レイプについて。レイプ事件は、レイプされた被害者の方が責められることが多くて、レイプされただけで傷ついているのに、公表するとさらに傷つけられる、被害者の立つ瀬がない事件です。詩織さんは、こういうことが続くことがないよう、性犯罪被害者に不利に働く現在の法的・社会的状況を変えようとしています。

 次に、国家権力によるもみ消し疑惑。途方もない力に対して、個人のかよわい身で告発をしています。
 このような疑惑は解明され、権力が私物化されないという状況にならない限り、私たちもいつ詩織さんと同じ目に遭うか分かりません。女であり、また権力につながる人の犯罪の被害者になったら、という理由で。詩織さんは、私たちを代表して、私たちのために闘っているのです。

 あらぬ誹謗中傷に遭っている詩織さんですが、私は感謝し、支持しています。そのことを言うためにブログを書きました。