2017年6月3日土曜日

詩織さんを支持します

 私は、レイプされた事件について529日に顔を実名を出して会見を開いた勇気ある女性詩織さんを全面的に支持します。
 彼女が訴えているのは、元TBS記者でジャーナリストの山口敬之氏を準強姦罪で告訴したけれど、不起訴処分となり、これを不服として検察審査会に審査を申し立てたという内容です。

 ネットでは話題になっているので、これを見る方はすでにご存知かもしれませんが、TVや主要新聞はなぜか一斉に沈黙したそうなので、一応、説明をしておきます(性犯罪を厳罰化する刑法改正案が審議入したのに伴い、民進党がこの件で質問するとかで、主要メディアも触れないわけにはいかなくなったようですが)。

 まず、詩織さんはアメリカでジャーナリズムと写真を勉強したフリーのジャーナリスト兼写真家で、事件が起こったときは、アメリカで知り合った山口氏に就職の相談をしていました。ところが、泥酔して前後不覚に陥り、気がついたときには裸で山口氏のホテルのベッドにいて氏が上に乗っていた、といいます(この事実自体は山口氏も否定していない)。
 この事件は高輪署が調べて、山口氏に逮捕状も発行されたのですが、成田空港で逮捕する直前に、警視庁の「上から」の指示により逮捕ができなくなりました。
 そして捜査本部も移されて新たに捜査し直された挙げ句、嫌疑不十分で不起訴となったということです。この逮捕状にストップをかけたのは「週刊新潮」によると、当時警視庁刑事部長だった中村格氏。みずから「私がやった」と認めているそうです。
 しかし、このような「上から」の介入による逮捕状の不執行や、また警察が詩織さんに示談を勧めて弁護士のところに連れて行ったなど、異例のことづくめです。
 山口氏が安倍総理にたいへん近いジャーナリストであったことから、圧力があったのではないかという疑いがあります。中村警視庁刑事部長は、この職に就く以前は、内閣官房長官秘書官を務めており、元経産省官僚の古賀茂明氏が報道ステーションでI am not ABEを訴えた際に、番組中に電話をして来たという人物でもあります(この後、古賀氏が官邸の圧力で番組を降ろされたことはご承知と思います)。

 ここには問題が二つあって、ひとつはレイプの問題であり、もうひとつは権力の介入の問題です。
 山口氏は性関係は認めた上で「合意だった」と主張したい模様ですが、酔って前後不覚になった女性が、覚醒したときに「嫌だ」と言って逃げたという状況から考えると、「合意だった」は無理ではないでしょうか。百歩譲って意識のなかったときに女性が合意したとしても、そういうのは合意になりません。
 逮捕状も出ていたのに、それを取りやめさせるのであれば、それ相当の理由が必要です。中村氏はそれを説明しなければなりませんね。

 もう一つは、権力の介入の問題です。
 総理大臣の親しい友人だと犯罪を犯してももみ消してもらえるとしたら、恐ろしい権力の濫用です。総理大臣の親しい友人だと、規制緩和をして学校を作らせてもらい、数々の補助金など厚遇されるという加計学園問題とも併せて、現政権が権力を私物化していないかどうか、はっきり検証してもらいたいです。

 詩織さんは、大きな勇気をもって、二つの告発をしています。

 まず、レイプについて。レイプ事件は、レイプされた被害者の方が責められることが多くて、レイプされただけで傷ついているのに、公表するとさらに傷つけられる、被害者の立つ瀬がない事件です。詩織さんは、こういうことが続くことがないよう、性犯罪被害者に不利に働く現在の法的・社会的状況を変えようとしています。

 次に、国家権力によるもみ消し疑惑。途方もない力に対して、個人のかよわい身で告発をしています。
 このような疑惑は解明され、権力が私物化されないという状況にならない限り、私たちもいつ詩織さんと同じ目に遭うか分かりません。女であり、また権力につながる人の犯罪の被害者になったら、という理由で。詩織さんは、私たちを代表して、私たちのために闘っているのです。

 あらぬ誹謗中傷に遭っている詩織さんですが、私は感謝し、支持しています。そのことを言うためにブログを書きました。

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